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天下りましておめでとうございます②水産土木編 [水産行政]

 12月22日、水産関係の2018年度予算が閣議決定されました。総額は1772億円、前年度比99.9%です。
 
 資源管理にこれまでお金がかけられておらず、結果として科学的な資源管理ができかった教訓に鑑みて、水産庁は前年43億円だった資源管理・調査のための予算を60億円にすべきと概算要求しましたが、ばっさり削られて微増の46億円にとどまりました。水産予算全体のなかで3%を占めるに過ぎません。これについては資源管理を担当する水産庁及びその他の機関の主要関係者からも「これで良いのか」との大きな不満の声が聞こえてきます。関係者にとり、まったくめでたくない事態です。

FY2018 fisheries.jpg

 他方、漁港をつくったり整備したりする公共事業関係は昨年と同額の718億1700万円でした。これは、水産予算の40%にあたります。これからも依然と同様、しっかりと漁港土木に予算が充当される予定です。関係者にとり、誠にめでたいことだと言えるでしょう。

 その水産土木関係の新年特集号があった業界紙の下に、業界団体新年挨拶がありました。そこで水産庁OBの在籍する団体及び役員に赤でハイライトしてみました。会長・理事長・社長の全員が水産庁の漁港漁場整備部長経験者であることがわかります。
(公務員については国家公務員法第106条の25に基づき、民間への再就職先が公表が義務付けられているところから、下記の水産庁OBの再就職先団体は内閣人事局ウェブサイトにある情報に主として依拠しています。*1)

new year 2018.jpg


全国漁港漁場協会
橋本牧会長 ← 水産庁漁港漁場整備部長(任:2007.4.1~2013.3.31)

全日本漁港建設協会
長野章会長 ← 水産庁漁港漁場整備部長(任:2001.1.6~2003.3.31)
森田正博理事・事務局長 ← 水産庁漁政部漁政課付(北海道漁業調整事務所長)

漁港漁場漁村総合研究所
影山智将理事長 ← 水産庁漁港漁場整備部長(任:2005.7.19~2007.3.31)
長元雅寛常務理事 ← 水産庁船舶管理室長
髙吉晋吾技術審議役 ← 水産庁漁港漁場整備部長(任:2014.7.22~2017.1.11)
高原裕一第1 調査研究部部長 ← 水産庁港漁場整備部計画課課長補佐(計画班担当)

水産土木建設技術センター
宇賀神義宣理事長 ← 水産庁漁港漁場整備部長(任:2013.4.1~2014.7.22)
丹羽行専務理事 ← 水産庁資源管理部国際課国際水産情報分析官

全国漁港漁場新技術研究会
橋本牧会長 ← 水産庁漁港漁場整備部長(任:2007.4.1~2013.3.31)

全国漁港・漁村振興漁業協同組合連合会
橋本牧代表理事会長 ← 水産庁漁港漁場整備部長(任:2007.4.1~2013.3.31)

株式会社センク21
田中潤兒代表取締役社長 ← 水産庁漁港漁場整備部長(任:2003.4.1~2005.7.19)

 田中潤兒・株式会社センク21代表取締役社長(元水産庁漁港漁場整備部長)は、1971(昭和46)年に農林省に入省、2003(平成15)年に水産庁漁港漁場整備部長に就任し、2005(平成17)年に農林水産省を退職、退職後は2006(平成18)年から2015年6月まで全国漁港漁場協会の会長を務められていました*2*3。後任の全国漁港漁場協会会長は橋本牧・元水産庁漁港漁場整備部長です。

 漁港漁場整備部長在任者を時系列的に並べると以下のようになります。

・長野章(任:2001.1.6~2003.3.31) → 全日本漁港建設協会会長
・田中潤兒(任:2003.4.1~2005.7.18) → 株式会社センク21代表取締役社長
・影山智将(任:2005.7.19~2007.3.31) → 漁港漁場漁村総合研究所理事長
・橋本牧(任:2007.4.1~2013.3.31) → 全国漁港漁場協会会長・全国漁港漁場新技術研究会会長・全国漁港・漁村振興漁業協同組合連合会代表理事会長
・宇賀神義宣(任:2013.4.1~2014.7.22) → 水産土木建設技術センター理事長
・髙吉晋吾(任:2014.7.22~2017.1.11) → 漁港漁場漁村総合研究所技術審議役

 在任期間が6年と最も長い現全国漁港漁場協会会長は、他の2団体の会長も兼任していることがわかります。


 漁港漁場漁村総合研究所というところには水産庁OBが4人も再就職していて、しかもうち2人は漁港漁場整備部長なので、少し調べてみると、水産庁の水産土木の調査関係のある程度がここを通じて流れているようですね。例えば水産基盤整備事業でH28(2016)年度予算に31億円ついているプロジェクトを見てみると、下図左側の「直轄漁場整備事業」で9600万円を、右側の「水産基盤整備調査」で1億8300万円を、漁港漁場漁村総合研究所が1億8300万円で調査を請け負っています。つまり、この事業だけで水産庁OBが4人在籍する漁港漁場漁村総合研究所は1年間で2億7900万円を国から受け取っていることになります。勿論これは全て我々の税金から支出されます。
 なお1億8300万円で請け負った調査については、水土舎というところに3200万円で、その他1社に2000万円で再委託しています。
 ちなみに水土舎の現社長は漁港漁場漁村技術研究所OBのようです(現社長が以前同研究所で専門技術員として在籍した当時の論文があります)。

行政事業レビュー.jpg
【図の出典】
「平成28年度の事業に係る行政事業レビューシート(最終公表)22. 漁村の健全な発展(0294~0311)、24頁」
[http://www.maff.go.jp/j/budget/review/h29/review/bunya/attach/pdf/28_22gyoson_saisyu-2.pdf]

*1 内閣人事局「退職管理・再就職等規制:国家公務員法等に基づく再就職状況の公表」[http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_j.html]
*2 CANPAN FIELDS「団体情報:社団法人全国漁港漁場協会 」[http://fields.canpan.info/organization/detail/1886697448]
*3 水産経済新聞2015年6月8日。[http://www.suikei.co.jp/%E6%96%B0%E4%BC%9A%E9%95%B7%E3%81%AB%E6%A9%8B%E6%9C%AC%E7%89%A7%E6%B0%8F%E3%80%81%E5%85%A8%E5%9B%BD%E6%BC%81%E6%B8%AF%E6%BC%81%E5%A0%B4%E5%8D%94%E4%BC%9A%E3%83%BB%E9%80%9A%E5%B8%B8%E7%B7%8F%E4%BC%9A/]


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