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国際司法裁判所(ICJ)捕鯨裁判・映像資料 [クジラ]

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【オランダ・ハーグの国際司法裁判所*】

 国際司法裁判所(International Court of Justice: ICJ)での調査捕鯨裁判の判決が下されてから早4年がたちました。

 国際司法裁判所というと、何か非常に遠いところにあって難解極まる法律議論を展開しているようにも思われますが、少なくとも調査捕鯨裁判についてはそういうわけではなく、「リーガルハイ」にも勝るとも劣らない、まさにドラマのような、いやドラマ以上にドラマチックな迫真の法廷劇が繰り広げられました。

 裁判の最大の見せ場となったのは、日本政府側の主張を弁護するために出廷したノルウェー人科学者のラース・ワロー博士に対するオーストラリア側からの反対尋問。ワロー博士の証言はこの裁判の帰趨を左右するものとなりました。

 国際法のエキスパートとして、その凄さを見せつけたのがオーストラリア側弁護人として訴訟に参加した豪州人のジェームズ・クロフォード教授(ケンブリッジ大学)。ユーモアを交えつつ相手側の主張を撃破し、演技力たっぷりな法廷での振る舞いは、まさに「クロフォード無双」とも言うべきものでした。彼はこの後国際司法裁判所の判事に就任しました。

 これに対して日本政府側が大枚はたいて雇った国際法の専門家は「私にも調査捕鯨の計算論拠がわからない」などまさにオウンゴール。

 国際司法裁判所の公用語が英仏語でオーストラリアの母語は当然英語であることから、日本側は法廷ではフランス語を主に用いるボンジュール作戦を展開したのですが、結果は判決の通り。うまくはいかなかったようです。

 この裁判は日本が当事国でありながら、ある意味で日本の不在が際立ちました。専門家として存分に調査捕鯨の科学的正当性を相手をやり込めるほどに主張すべき調査捕鯨をリードしていた日本人科学者の不在。そしてそれともかかわることですが、裁判における日本語の不在。国際司法裁判所規定第三十九条第三項では「裁判所は、いずれかの当事者の要請があったときは、この当事者がフランス語又は英語以外の言語を使用することを許可しなければならない」と定めているのですが。

 日本の捕鯨裁判の全面敗訴は作戦ミスにも依拠するところ、少なくないように考えられます。鶴岡公二・日本政府代理人が敗訴を受け安倍総理大臣に官邸に呼び出され、非常に強い叱責を受けたのはむべなるかなと言えるでしょう。

 ということで、以下捕鯨裁判のハイライトをまとめたビデオクリップ集(日英字幕付き)を以下からダウンロードできるようにしました。授業など教育用などにお役立てください。
 (注:英語版は650MB、日本語版も500MBと非常に重いため、ダウンロードに時間がかかります)

【ICJ捕鯨裁判ビデオクリップ集・英語字幕付き】

【ICJ捕鯨裁判ビデオクリップ集・日本語字幕付き】

 なお裁判の詳細については拙共著『クジラコンプレックス』に文書化しています。

【Amazon.co.jp「クジラコンプレックス」】


* Source: Wikipedia Commons, "Den Haag Peace Palace".



 
 
 
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イワシクジラ調査捕鯨が国際法(ワシントン条約)違反認定か?:第69回ワシントン条約常設委員会(2017.12)報告 [クジラ]

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【ワシントン条約第69回常設委員会(2017.12)が開催されたジュネーブ国際会議場すぐ近くにある国連欧州本部(パレ・デ・ナシオン)】

 2017年12月にジュネーブで開催されたワシントン条約(CITES)常設委員会にオブザーバー出席したのですが、この会議では日本のイワシクジラの北太平洋での調査捕獲がワシントン条約に該当するのではないかとしてほとんどの国がこれを問題視、日本政府側(担当は水産庁)は欧州はもとより中南米諸国やケニア、ニジェールといったアフリカ諸国からも非常に厳しい批判を浴びました。このままいくと、来年の常設委員会で日本はイワシクジラ調査捕獲に対して条約違反認定を受ける可能性が出てきました。先進国では前代未聞の事態です。
 条約違反認定された場合の最も厳しい措置はワシントン条約付属書に掲載された特定の種あるいは全ての種に対する取引停止勧告となります。全ての種の取引停止勧告を受けた場合、例えば付属書に掲載されている動物を動物園に外国から受け入れようとする場合、その外国からワシントン条約での取引停止勧告を理由として拒否されるということもあり得ることになります。
 なお、「商業捕鯨実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律」では第三条で、調査捕鯨は「条約その他の国際約束及び確立された国際法規」に基づかなければならないと定めているため、イワシクジラがワシントン条約違反認定された場合、国内法にも抵触することになります。


 こうした経緯についてIKAN発行のニューズレター『IKANet News』第69号(4~14頁 )に小文を書きましたので、以下転載します。掲載された原文はPDFファイルでこの文章の一番最後のリンク先からダウンロードできます。

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マニラでクジラ肉に遭遇 [クジラ]

 12月3日(日)から開催された中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)にオブザーバーとして出席するため、フィリピンのマニラに出張しました。

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【WCPFC本会議が開催された会議場の模様】

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「捕鯨と環境倫理」研究会発表資料 [クジラ]

本日(2017年11月19日)国立民族学博物館で開催された「捕鯨と環境倫理」研究会での私の発表分の報告資料をアップロードしました。以下のリンク先からダウンロードできます。

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日本の調査捕鯨は違法か [クジラ]

 今回は2015年12月に発行されたニューズレター『IKA Net News』第62号、5~12頁に寄稿した文章を掲載しました。脚注の引用のリンクが切れてているかもしれませんが、原文そのまま掲載します。
 なお、元の原稿についてはPDFファイルにしたものをこの文章の一番最後にあるリンク先からダウンロードすることができるようにしました。

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新北西太平洋鯨類科学調査計画(NEREP-NP)・IWC科学委員会レビュー [クジラ]

 先頃北太平洋で実施されていた日本の今年度分の調査捕鯨が終了したところですが、今回は『IKA-NET News』68号(2017年8月)に寄稿した北太平洋での調査捕鯨に関するIWC科学委員会での議論について書いたエッセイをアップしました。
 なお、元の原稿についてはPDFファイルにしたものをこの文章の一番最後にあるリンク先からダウンロードすることができるようにしました。

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【IWC第66回隔年会合(2016)の模様。筆者撮影】

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新北西太平洋鯨類科学調査計画(NEREP-NP)専門家パネルレビュー [クジラ]

 今回は、『 IKA-NET NEWS』67号に掲載した日本の北太平洋新調査捕鯨計画についてのエッセイ「新北西太平洋鯨類科学調査計画(NEREP-NP)専門家パネルレビュー」をそのまま以下掲載しました。

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北太平洋新調査捕鯨計画の国際法違反(国際法上の脱法操業)の可能性について:専門家パネル勧告と調査計画最終案 [クジラ]

現在商業捕鯨は日本も加盟する国際捕鯨委員会(IWC)の下で行うことが許されていませんが、同委員会を設けた国際捕鯨取締条約では、第8条で「締約政府は、同政府が適当と認める数の制限及び他の条件に従って自国民のいずれかが科学的研究を目的として(for purposes of scientific research)鯨を捕獲し、殺し、及び処理することを認可する特別許可書をこれに与えることができる」と定めています。

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調査捕鯨:IWC科学委専門家パネル勧告の進捗状況について [クジラ]

本年5月スロベニアで国際捕鯨委員会(International Whaling Commission: IWC)科学委員会が開催され、ここで日本が今年から実施する予定の北西太平洋での新調査捕鯨計画案(NEWREP-NP)が議論されました。この計画についてはこれに先立って開催されたIWC科学委員会独立専門家パネルで「致死的調査の必要性が立証できてはいない」とする厳しい評価を受け、これを改善するための必要なものとして多数の計画修正勧告が行われました。
これらに基づき日本は調査計画を若干修正し、最終のものとしてIWC科学委員会に提出し、科学委員会では専門家パネルの勧告の進捗状況につき検討が行われました。
以下、これら検討の進捗状況を簡単に示すため、十分な修正が行われた改善勧告を達成したものには緑色、部分的に進展が見られたが、勧告を十全に達成するにはまだ至らないものには黄色、勧告に応えておらず、進展が見られないものに赤色をつけてみました。

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北太平洋新調査捕鯨計画:IWC科学委での賛否動向について [クジラ]

本2017年5月9日から21日にかけてスロベニアで国際捕鯨員会(IWC)科学委員会が開催されていましたが、その報告書が発表されました。
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=6557&k=e44fb84b94
【国際捕鯨委員会科学委員会報告書】

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